IU Consulting ― Upper Executive Meeting 2026.04.10

AI × IU

短期で効果を出す戦略
― AIサービスの見取り図と事業への実装 ―

中道 正和|DXソリューション部 2026年4月10日
01 ― Industry Landscape

会計業界のAI活用は
「知っている」から「使う」へ

0%

の会計事務所が生成AIを使用経験あり

ChatGPTが84%で圧倒的シェア
0%

記帳代行の時間削減

freee AIデータ化サービス実績値

0%

が「活用法がわからない」

ルール未整備32% ― 導入余地は大きい

使い方を示せば伸びる段階 ― IUが先行している意味は大きい
02 ― Competitor Analysis

大手もAI投資を加速

P
PwC税理士法人Big4

三菱商事の経理改革を支援。PDF → AI-OCR → 生成AIでデータ自動抽出 → 調書提出要否判定まで一気通貫で自動化。Azure OpenAI Serviceを基盤に、独自のAI税務プラットフォームを構築中。

エンドツーエンドのAI自動化フロー 出典
T
辻・本郷グループ国内最大級

自社開発の税務会計AI「BLUEISH Agents」に6,000万円投資。顧問先17,000社にAIサービスを展開。生成AIガイドラインを業界に先駆けて策定し、全社員への研修も実施済み。

6,000万円投資 / 17,000社へAI展開 出典
f
freeeSaaSベンダー

共同創業者がCAIOに就任しAI戦略を発表。「Done by You → Done for You」を掲げ、AI経費精算の完全自動化を実現。freee-mcpをOSSとして公開し、AIエージェント連携を推進。

CAIO就任 / Done for You / MCP公開 出典
S
サン共同税理士法人中規模・128名

GWS Business Standardを基盤に、freee API + GAS + Geminiで12以上のAIツールを内製。2025年「AI native」宣言。書籍「会計事務所のDXの進め方」出版。

GWS基盤 × SaaS連携 / AI native宣言 出典
IUは72PJ運用中、ROI 17倍。同規模事務所にも先行する実績がある。 次ページでサン共同との戦略比較へ →
04 ― Strategy Comparison

サン共同 vs IU ― 2つのDX戦略

同規模事務所の異なるアプローチを比較し、IUの戦略的優位性を整理する

S
サン共同(128名)
「既存SaaSを繋いで最大化」
基盤: GWS Business Standard(¥950/月/人)
AI
AI: Gemini(GWS内蔵・追加料金なし)+ Gem + NotebookLM
開発: GAS + freee API中心。ノーコード/ローコード
実績: 決算報告レビューAI / 税務相談Bot / 申告書チェックAI
強み
導入ハードル低い・全員が使える・SaaS連携で即効性
課題
SaaS依存でカスタマイズ限界・大規模自動化は困難
IU
IUコンサルティング
「自社開発で業務に最適化」
基盤: GCP(Cloud Run / Gemini API)+ kintone
AI
AI: Claude Code + Gemini API + 独自AIチャット
開発: TypeScript / Python フルスタック開発(108,000行規模)
実績: 財務ナビ / 相続税申告自動化 / AI-OCR / 72PJ運用
強み
業務特化で圧倒的な自動化率・SaaS制約なし・競争優位
課題
DXS部への属人化リスク・全社展開のスピード
IUの戦略: 両方の強みを取る
DXS部の大規模開発 + 現場発のGemini/GAS活用(内田ツール群)。サン共同のSaaS連携力もIU財務ナビのfreee/MF連携で実現済み。
03 ― IU AI Portfolio

IUでのAI活用事例

AIでコーディング Claude Code等で業務システムを構築
SOROBO pywinauto化相続税申告RPAテスト中
社員キャリアダッシュボード社員情報の一元管理運用中
音声感情分析アプリ通話音声の感情分析テスト中
仕訳生成アプリ仕訳データの自動生成運用中
遺言書自動化PJ遺言書作成のRPA化運用中
入金通知GCP化Firestore経由で通知運用中
税理士ドットコム通知新着案件の自動通知運用中
PJダッシュボードPJ一元表示・開発依頼受付運用中
音声合成&動画編集TTS+動画編集運用中
マニュアル生成アプリ業務マニュアルの自動生成テスト中
業務フローへのAI組込み 既存業務プロセスにAIを直接組み込む
IU財務ナビ会計API連携→AI分析→月次報告書自動生成運用中
財産目録アプリ相続財産目録の自動生成テスト中
SOROBOCR通帳読取→資金移動自動化運用中
IUシステム分析社内システムのAI分析運用中
中道用エージェントKOT打刻・日報チェック・スケジュール自動生成運用中
社内AI基盤 全社員が使えるAI環境の整備
アイユーくんAIチャットKintone上のAIチャットボット(PDF画像認識対応)運用中
AIエージェントによる自動化 AIが自律的にタスクを遂行
精算課税取得精算課税届出のKintone+Excel連携開発中
自動仕訳エージェント仕訳の自律的な判断・処理開発中
個人エージェント日報登録・部下KOTチェック・チャトワ返信等運用中
05 ― Business × AI Mapping

IUの業務、ここにAIが効く

業務AI活用方法効果状態
月次仕訳PDF → AI-OCR → 自動仕訳50-70%削減テスト中
相続税申告書RPA + AIで自動作成69,000行自動化開発中
顧問先面談準備前期比較 → AIコメントドラフト70%削減テスト中
新人研修税法+業務フロー → マニュアル自動生成90%削減稼働中
質問対応AIチャットボットで定型回答40%削減稼働中
通帳・領収書AI-OCR → 構造化CSV80%削減稼働中
業務アサインスキル × 案件難易度AI分析負荷平準化提案可能
ナレッジ管理付箋・チャット・日報からAI集約属人化解消稼働中
稼働中 4業務 テスト・開発中 3業務 提案可能 1業務
段階的に業務への組込みを拡大中
06 ― AI Service Landscape

AIサービスの見取り図

AI Landscape — Chaos Map
2026年3月版 / 主要48プロダクト
モデル(頭脳)
サービス(製品)
エージェント(自律型)
OSS(オープンソース)
💬 テキスト生成 / チャット
GPT-5.4Model
GPT-4oModel
Claude Opus 4.6Model
Claude Sonnet 4.6Model
Gemini 3.1 ProModel
Grok 4.20Model
DeepSeek-R1 / V4OSS
Llama 4OSS
Qwen 3.5OSS
Mistral LargeOSS
ChatGPTService
Claude.aiService
GeminiService
GrokService
DeepSeek ChatService
🎨 画像生成
GPT Image 1.5Model
Imagen 4Model
FLUX.2OSS
Stable Diffusion 3.5OSS
Midjourney V7Service
Adobe Firefly 3Service
Canva AIService
Ideogram 3.0Service
🎥 動画 / 🎤 音声
SoraModel
Veo 2Model
WhisperOSS
Runway Gen-3Service
HeyGenService
Kling AIService
ElevenLabsService
NotebookLMService
⚡ 検索 / 業務 / コード / エージェント
PerplexityService
GensparkService
Microsoft CopilotService
Notion AIService
GitHub CopilotService
Claude CodeAgent
Claude CoworkAgent
CursorAgent
DevinAgent
OperatorAgent
ManusAgent
Super AgentAgent
07 ― Future of Work

これからの時代、役割はこう変わる

DXS部として、AIが裏側で動く環境を整備していきます。使えなくても拾い上げる仕組みに。

相続 & 顧問の作業者

AIが7割を自動で処理。残り3割を仕上げる役割に変わる。

申告書作成、仕訳処理、資料収集はAIが下書き。人間は確認と微調整に集中。

精度はどんどん上がる。1人で担当できる件数は確実に増える。

DXS部の方針
作業は自動的にAIが動く環境を整備。AI使えなくても業務が回る仕組みに。
チェッカー

AIが事前チェック済みのものが上がってくる。品質は向上する。

論点チェックに集中。数字の整合性はAIが担保。

間違いを見つけたらフィードバックしてAIを育てる。使うほど精度が上がる循環。

DXS部の方針
チェック工程にもAIを組み込み済み。人間は高度な判断に集中。
営業・対人業務

一番不足する可能性がある。AIが作業を代替するほど、人の対面価値が上がる。

顧客との信頼関係、心理的な寄り添い、複雑な意思決定の支援。

あなたの対人スキルが最も価値ある業務になる。

意味するところ
AIが時間を作る → その時間で顧客との関係構築に投資できる。
08 ― Risk & Governance

リスクとガバナンス

セキュリティポリシー
顧客データ: API経由(Gemini / Claude)は学習対象外。ただし入力範囲のルール整備が必要
サービス選定: API経由 or 有料プラン(学習OFF)を利用。無料版の業務利用は禁止
出力検証: AI出力は必ず人間がレビュー。税務判断はダブルチェック
リスク認識と対策
ハルシネーション: AIが誤った情報を出力するリスク。税務では致命的
コスト管理: API利用量増加への対応。予算上限・モニタリング整備
属人化: DXS部集中リスク。全社研修・ナレッジ共有の仕組みが必要
導入ロードマップ
Phase 1
ガイドライン策定
Phase 2
パイロット導入
Phase 3
効果測定・改善
Phase 4
全社展開
Phase 5
継続的改善
09 ― Discussion

幹部のみなさんに考えてほしいこと

Q1
業務の余白で何をしますか?

AIが作業・チェックを代替すると、担当者に時間が生まれます。その余白を「顧客との関係構築」「高度な提案」「新規事業」のどこに向けるか。ここが経営判断です。

Q2
採用計画の見直しは必要ですか?

AIで1人が担当できる件数が増える。300人体制はAI前提で妥当か?どの職種を増やし、どこをAIに置き換えるか。インパクトは採用計画に直結します。

Q3
前提知識は揃っていますか?

モデル・サービス・エージェントの区別がついていますか?NotebookLMとGeminiの違いは?ClaudeとGeminiの違いは?
ここが曖昧だと、投資判断も曖昧になります。

Q4
あなたのクローンを作りますか?

常にPCを開いてAIエージェントがあなたの判断基準で動く。スマホからディスパッチで指示を出す。技術的にはもう可能です。
やるかやらないか、です。

AIは「使うかどうか」ではなく「どう経営に組み込むか」のフェーズです。

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